糖尿病と歯周病
〒367-0030埼玉県本庄市早稲田の杜2丁目1番1号
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糖尿病と歯周病
「糖尿病と歯周病に関係があるの?」と、意外に思われる方も多いかもしれません。しかし、この2つの病気は深く関わり合っていて、歯周病は「糖尿病の第6の合併症」と呼ばれることもあります。
歯周病のケアは糖尿病の治療に代わるものではありませんが、血糖コントロールをよりよくするための取り組みのひとつとして大切です。本庄早稲田駅近くの「ともにかんがえるクリニック」では、日本糖尿病学会専門医である院長が、糖尿病の診療においてお口の健康にも目を向けることを大切にしています。
糖尿病と歯周病の関係は、どちらか一方が他方に影響するという一方通行のものではありません。「糖尿病が歯周病を進める」「歯周病が血糖に影響する」という双方向の関係があり、悪循環になりやすいことが知られています。まずは、それぞれの方向から見ていきましょう。
| 影響の向き | 起こること |
|---|---|
| 糖尿病⇒歯周病 | 歯周病になりやすく、進行しやすくなる |
| 歯周病⇒糖尿病 | 炎症によって血糖コントロールに影響することがある |
血糖値が高い状態が続くと、次のような理由から歯周病が起こりやすく、進行しやすくなると考えられています。
高血糖が続くと、細菌と戦う白血球の働きが低下し、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。
糖尿病では細い血管が傷つきやすく、歯ぐきの炎症を抑えたり修復したりする力が十分に働きにくくなることがあります。
高血糖で尿量が増えると体の水分が失われ、唾液が減ることがあります。唾液には口の中を洗い流す働きがあるため、減ると細菌が増えやすくなります。
歯周病があると血糖が高くなりやすく、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)も改善しにくい傾向があると報告されています。歯ぐきに炎症が起こると、体内で炎症性物質がつくられます。炎症が強いと、これらの物質が血液を通じて全身に影響し、血糖値を下げるインスリンの働きを妨げることがあります。この状態は「インスリン抵抗性」と呼ばれます。
インスリンが十分に働かないと、血液中の糖が細胞に取り込まれにくくなり、血糖の高い状態が続きやすくなります。食事や運動、お薬による治療を続けてもHbA1cがなかなか改善しない場合、その背景に歯周病の炎症が関係していることもあるのです。糖尿病そのものについては、糖尿病についてのページもあわせてご覧ください。
歯周病を治療することで血糖コントロールが改善するかどうかは、これまで多くの研究が行われてきました。日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドライン2024では、2型糖尿病のある方への歯周治療は、血糖コントロールの改善に有効であり、すすめられるとされています。複数の研究をまとめた解析では、歯周治療のあと、HbA1cが平均でおよそ0.4%低下したという報告があります。
ただし、効果の程度には個人差があり、はっきりした変化がみられなかったとする研究もあります。歯周病の治療は、糖尿病の治療に代わるものではありません。食事療法・運動療法・薬物療法という基本の治療を続けたうえで、血糖コントロールをよりよくするための取り組みのひとつとして、歯周病のケアを位置づけることが大切です。
歯周病は、初期には痛みなどの自覚症状がほとんどありません。「痛くないから大丈夫」と受診しないうちに、歯を支える骨が失われていることもあります。糖尿病と診断されたら、症状がなくても、まず一度、歯科で歯周病の有無や進行度を確認してもらうことをおすすめします。
歯周病の治療を受けたあとは、再発を防ぐための定期的なメンテナンスが大切です。糖尿病診療ガイドライン2024では、メンテナンスの間隔の目安が次のように示されています。
| 対象 | メンテナンスの目安 |
|---|---|
| 糖尿病が無い方 | 3~6カ月間隔 |
| 糖尿病のある方 | 原則3カ月以内 |
※糖尿病のある方は歯周炎が再発しやすいため、より短い間隔がすすめられています。適切な間隔は、歯周病の進行度や血糖コントロールの状況などによって異なりますので、歯科医師の指示に従ってください。
この「症状がなくても定期的に確認する」という考え方は、糖尿病の目の合併症(糖尿病網膜症)で眼科を定期受診するのと似ています。合併症全般については、糖尿病の原因と症状のページもあわせてご覧ください。
当院では、診察の際に、合併症予防の観点から必要と判断した場合には、歯科の受診をおすすめすることがあります。歯科治療を安全に行うためには、直近のHbA1cや血糖コントロールの状態、服用中のお薬などの情報が必要になることがあります。
歯科医院から糖尿病の治療状況や全身状態について情報提供を求められた場合には、当院から診療情報提供書を作成することも可能です。お口の状態が気になる方、長い間歯科を受診していない方は、診察の際にお気軽にご相談ください。
Q.血糖値が高いと歯科治療は受けられないのですか?
血糖値が高いからといって、必ずしも歯科治療を受けられないわけではありません。ただし、コントロールが著しく不良な場合は、感染しやすい・傷が治りにくいなどのリスクが高まることがあります。まずは糖尿病で治療中であることを歯科医師にお伝えください。処置の内容やタイミングは、歯科医師と内科医が連携して判断することがあります。
Q.歯科で糖尿病治療中ということを伝えるべきですか?
糖尿病で治療中であること、直近のHbA1cや血糖値、服用中のお薬やインスリンの使用状況、低血糖を起こしたことがあるか、糖尿病以外の病気やアレルギーなどをお伝えいただくとよいでしょう。
Q.歯ぐきに症状がなくても受診したほうがよいですか?
歯周病は初期には自覚症状がほとんど現れません。痛みや出血などがなくても進行していることがあるため、症状がない段階から定期的に確認してもらうことをおすすめします。
ともにかんがえるクリニック 院長 川嶋弘道
日本内科学会認定内科医
日本糖尿病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
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