大動脈疾患
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大動脈疾患

大動脈疾患(だいどうみゃくしっかん)とは、心臓から全身へ血液を送り出す最も太い血管「大動脈」に異常が起こる病気の総称です。
大動脈は命に直結する重要な血管であり、ここに問題が生じると短時間で命を脅かす事態にもつながる可能性があります。
症状がないまま進行することも多く、健診や他の病気の検査で偶然見つかることもあります。
早期の診断と定期的な経過観察が非常に重要です。
解離性大動脈は、大動脈の壁の内膜が何らかの原因で裂け、血液が壁の層の間に入り込むことで発症します。主な原因は高血圧で、長期間にわたる血圧の上昇が大動脈壁に負担をかけ、内膜への損傷を招きやすくなります。また、動脈硬化や先天的な結合組織疾患(マルファン症候群など)、外傷、重度の動脈炎もリスク因子となります。これらが重なることで、大動脈の脆弱性が増し、解離が発生しやすくなります。緊急性を要する疾患でありますので、急激な背部痛(金づちで殴られたような痛み)がある場合には、救急車を要請してください。
胸腹部大動脈瘤の主な原因は、大動脈壁の構造的な弱化にあります。最も多い原因は動脈硬化であり、加齢や高血圧、脂質異常症、喫煙などの生活習慣病がリスクを高めます。その他にも、先天的な結合組織疾患(たとえばマルファン症候群やエーラス・ダンロス症候群)や、外傷、感染症(梅毒性や細菌性大動脈炎など)によっても発症することがあります。これらの要因が重なることで、大動脈の壁がもろくなり、瘤状に拡張してしまうのが特徴です。ある一定以上の瘤の大きさになると外科的治療やステント治療が必要になります。
以下のような要因が大動脈疾患の発症リスクを高めます。
特に高血圧のある中高年の方では、大動脈疾患の予防・早期発見が重要です。
症状がある場合や、健診・画像検査で異常を指摘された際には、以下のような検査を行います。
症状がない場合でも、瘤の拡大スピードや形状を年1〜2回の頻度で経過観察することが推奨されます。
大動脈疾患の治療は、疾患の種類・部位・サイズ・症状の有無によって大きく異なります。
特に大動脈瘤では、「○cmを超えたら手術を検討」という基準があります。胸部は5.5cm、腹部は5.0cmが目安です(ただし症状がある場合はそれ以下でも治療が必要になることも)。
当院では手術は行いませんが、重症例は大学病院や心臓血管外科と連携し、迅速に紹介・治療手配を行います。
当院では以下のような大動脈疾患の初期対応・継続管理を行っております。
症状のない段階での予防的治療が非常に重要な疾患です。
「健診で胸部に異常」「家族が大動脈瘤だった」「血圧がなかなか下がらない」など、気になる点がある方はぜひ早めにご相談ください。
大動脈疾患は、自覚症状がないまま進行し、突然重篤な事態を招くことがある重大な病気です。
しかし、早期に発見し、定期的なフォローと適切な血圧管理を行うことで、破裂や解離を未然に防ぐことが可能です。
命を守るための「先手の医療」を、当院は大切にしています。
ご心配な点があれば、お気軽に循環器内科へご相談ください。
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