生活習慣病
〒367-0030埼玉県本庄市早稲田の杜2丁目1番1号
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生活習慣病

生活習慣病とは、食事・運動・睡眠・ストレス・喫煙・飲酒などの生活習慣が深く関与する慢性疾患の総称です。代表的なものに「高血圧」「糖尿病」「高尿酸血症」「脂質異常症」があり、いずれも自覚症状がほとんどないまま進行することが特徴です。しかし、放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳卒中・腎不全などの重篤な合併症を引き起こす危険があります。当院では、日常生活のアドバイスから内服治療まで、個々の患者さんに合わせた予防と管理を行っています。
高血圧症にはいくつかの種類と原因があります。主に「本態性高血圧」と「二次性高血圧」に分類されます。本態性高血圧は全高血圧症の約90%を占め、明確な原因が特定できないものの、遺伝的要因や加齢、塩分過多、肥満、ストレス、運動不足、過剰な飲酒や喫煙など生活習慣の影響が複合的に関与します。一方、二次性高血圧は全体の約10%程度で、腎臓疾患(腎実質性高血圧、腎血管性高血圧)、内分泌疾患(原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、クッシング症候群など)、薬剤や睡眠時無呼吸症候群によって引き起こされることがあります。高血圧症は自覚症状が乏しい場合も多いですが、進行すると動脈硬化や心血管疾患、脳卒中などの重大な病気のリスクとなりますので、生活習慣の見直しと定期的な血圧測定が大切です。当院では、循環器疾患のリスクとなる生活習慣病の治療に力点を置いています。
血圧測定方法について、また血圧記録を一緒にみながら血圧コントロールを行っていきましょう。また心電図やCAVI(動脈年齢検査)を定期的にお受け頂いて心臓の肥大や血管の硬さを評価していきましょう。
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気で、大きく1型糖尿病、2型糖尿病、その他に分類されます。1型糖尿病は自己免疫反応などによって膵臓のインスリンを産生する細胞が破壊され、インスリンの分泌が著しく低下または消失することで発症します。小児や若年成人に多くみられますが、どの年齢でも発症し得ます。
一方、2型糖尿病は日本人の糖尿病の多くを占めており、遺伝的素因に加えて、肥満や運動不足、過食、加齢、ストレスなど生活習慣が大きく関与します。インスリンの分泌が不十分になったり、体がインスリンの働きに抵抗性を示したりすることで血糖値が高くなります。
また、妊娠中に初めて発見される「妊娠糖尿病」や、他の疾患や薬剤の影響による二次性糖尿病も存在します。糖尿病は初期には自覚症状が少ないため、定期的な検査と適切な生活習慣の改善、早期発見・治療が重要となります。
当院では、主に2型糖尿病の診察を行っていきます。インスリン抵抗性を改善させるための「食事」「運動」「薬剤」の組み合わせで最適な管理を一緒に行っていきましょう。そのためにも毎日の血圧・体重測定など、ご協力を頂く点もございますが、合併症を予防することを目的にともに考えていきましょう。
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が慢性的に高くなる状態です。尿酸はプリン体という物質が分解されることで生じ、体内での産生が増加したり、腎臓からの排泄が低下したりすることで血中濃度が上昇します。主な原因としては、プリン体を多く含む食品(動物性内臓、魚卵、アルコール類など)の過剰摂取や、肥満、腎機能低下、利尿薬の使用、遺伝的要因などが挙げられます。また、激しい運動や脱水も尿酸値を一時的に上昇させることがあります。尿酸産生過程において「活性酸素」が出現し、血管に酸化ストレスを与えることから、長年の高尿酸血症の放置は「高血圧症」の原因となることが知られています。
痛風は、高尿酸血症が長期間続くことで尿酸が関節内に結晶化し、急性の激しい関節炎を引き起こす病気です。発作的な関節の腫れや強い痛みが典型的で、特に足の親指の付け根に多くみられます。痛風の根本的な原因は高尿酸血症であり、その背景には先に述べた食生活や生活習慣、腎機能の低下、遺伝的素因などが複合的に関与しています。適切な食事指導や生活習慣の見直し、必要に応じた薬物治療によって、尿酸値の管理と発作の予防を目指すことが重要です。
尿酸値が高いことを放置することなく、薬剤以外の方法でも尿酸値を下げていく方法があります。ともに考えながら、適切な管理方法を見つけていきましょう。
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)などの脂質の値が正常範囲から外れている状態を指します。主に以下の3つのタイプに分類されます。
原因としては、遺伝的な体質のほか、過食や高脂肪食、運動不足、アルコールの過剰摂取、肥満、糖尿病、甲状腺機能低下症、腎疾患などの生活習慣や他の病気が関与します。また、脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、放置すると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患のリスクが高まります。定期的な検査と、生活習慣の見直しが予防・改善の第一歩となります。
生活習慣病は複数が同時に存在することが多く、互いに悪影響を与え合うのが特徴です(例:高血圧と糖尿病を併発している、脂質異常と高尿酸血症が同時にある など)。当院では、単なる数値の改善だけでなく、患者さんの生活背景・仕事・家庭状況なども考慮しながら、現実的で継続可能な治療プランをともにかんがえ提案します。
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